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1980年金沢市に創業、惜しまれつつも2020年12月に閉店した老舗喫茶店「珈琲館 禁煙室」さん。
その内装や食器類を引き継ぎ、大阪・阿波座に『喫茶 水鯨』として移設オープンしました。
お店は阿波座駅から徒歩約8分。
昭和の古い建築物が並ぶ「川口居留地跡」の通りに店を構えています。
ちなみに店名「水鯨」の由来は、鯨が絶滅しないように水の中をもっとのびのび泳げるように願いを込めて命名。
現在絶滅危惧種と言われている鯨と、後継者がおらず街から消えつつある喫茶店が重なったからだそう。
確かに昔ながらの喫茶店は少しずつ減ってきているような気がします。そんな中で、これまで歩んできた長い歴史を持つ金沢の喫茶店の良さを引き継いだ「水鯨」さん。
どこか大阪・四ツ橋の「喫茶と菓子タビノネ」さんと想いが似ているように感じました。
店内へ入るとまず目に入るのは、大きなステンドグラス。
そして禁煙室からそのまま持ってきた、年季の入った椅子。ところどころはげていますが、それも個性。味があって素敵です。
ステンドグラスも禁煙室さんから持ってきたもの。とてもインパクトがありますね。
「たばこの吸える喫茶店」と書かれた、かつての店の赤い看板。
店名は禁煙室だけど、全席喫煙可能という矛盾した感じもなんか面白く感じます。
入り口手前はテーブル席、奥へ進むと青いタイルが敷き詰められたカウンター席が。一人でも気軽に過ごせそうです。
おてふきもお水のグラスも昭和感満載。
コンセプトが一貫していて本当に素敵です。
メニューも禁煙室のものを活用。
名物のクリームソーダは、禁煙室と同じグラスを特注で作るこだわりぶり。色は緑・青・赤の3種類。
11時まではモーニングセット、たまごサンドやナポリタンなどランチとしても利用できそうなものが揃っています。
珈琲は自家焙煎の「水鯨ブレンド」。
購入して自宅で楽しみましたが、けっこう深煎りで個人的に好みな味。粗いめに挽くとより一層美味しく感じました。
もちろんそのほかの豆も種類豊富。
メニュー表には禁煙室の説明と、お店の想いが記載。ぜひ読んでみてほしいです。
まずはクリームソーダ。
花びらのようなグラスがキュート。シロップが甘めで美味しい。
続いて自家製プリンを注文。
こちらもなんだか昔懐かしい素敵な器に入って提供。
プリンは固めではなく、少しとろみのあるやわらか食感。カラメルは苦みは控えめで甘さが強調されていました。
お会計はこちらのこちらの紙の裏に記載。
おてふきと言い、ちょっとしたものにもこだわりが感じられてすごいです。
お店の方はご夫婦なのかな。物腰柔らかい印象で、初めてきたお客さんにもフレンドリーにお話されていました。
常連さんがこれから増えていきそうです。
金沢の老舗喫茶店「禁煙室」の意志を継ぎ、これから新天地大阪で歴史を歩んでいくことでしょう。
また立ち寄りたいと思います。