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昭和38年創業。天王寺区・松虫商店街に店を構える「はやし製菓本舗」さん。
80年以上もこの地で焼き続ける名物の「浪花ことばせんべい」が購入できるおせんべい屋さんです。10年以上前に何度か伺ったことがあるんですが、久しぶりに訪問しました。
古き良き大阪の歴史をいまに伝える「浪花ことばせんべい」は大阪土産にぴったり!優しい素朴な味わいで思い出に残ること間違いなしです。
お店の前には歴史の深そうなケースがずらり。色合いが素敵です。なんだか昔の駄菓子屋さんを思い出します。
丸や四角の形をしたせんべいや、ピーナッツが入ったせんべいなど10種ほどのせんべいが並んでいました。
こちらのお店は姉弟で営まれています。
店主の林さんは現在2代目。訪問時はお会いすることはできませんでしたが、とっても優しい方なんです。
作業場の壁には何枚のも金型が。
いつも午前中に店主さんがここへ座って黙々と手焼きしていきます。慣れた手つきで次々と美味しそうなおせんべいが出来上がります。
ついつい魅入ってしまいます。
出来たてアツアツのせんべいがこちら。
ここからご主人のお姉さんがハサミで周りを綺麗にカットしていきます。
ちょっと失敗したものは残していて、おせんべいを買いにしたお客さんにお渡ししてくれます。
こういうの本当に嬉しい♪せんべいをかじりながらお姉さんとの会話を楽しみました。
せんべいには色んな種類がありますが、中でも一番人気は「浪花ことばせんべい」。
相撲の番付表のような包装紙が印象的です。
ぼくは24枚入りを購入。1つの袋に4枚ずつせんべいが入っています。
同封された説明書きによると、「大阪らしいもんを」と郷土史研究家牧村史湯氏と共に研究を重ね、昭和38年に「大阪みやげ」として誕生されたそう。
浪花ことばせんべいには「かんにん(ごめん)」や「きずかいない(気づかない)」、「ちゃらんぽらん(適当)」「おおきに(ありがとう)」など、昔から使われてきた浪花ことばが26種類ランダムに焼き印されています。
聞いたことがある言葉のほかに、「てんご(いじわる)」「ごんた(いたずらっ子)」「いとさん(愛しい人)」などあまり聞き慣れないものもあって、とても興味深いです!
これはどんな意味なんだろう?と好奇心が出てきますね。
せんべいは卵・小麦粉・砂糖・はちみつとシンプル。
以前店主さんの林さんに伺った際、「生地は生き物」という言葉が印象に残っています。
その日の気候などによって生地が変わるため、毎日分量を微調整しているそう。これぞ職人技。日々せんべいと向き合わないとできない芸当です。
心を込めて焼き上げたせんべいは、素朴で優しい味わいに仕上がります。たまごの風味が豊かでどこか懐かしい気持ちになりました。
ちなみに少し温めると柔らかい食感になり、たまごの風味が際立ちます。温度によって味と風味が変化するのも面白いです。
「浪花ことばせんべい」は郵送や催事などは全くしておらず、お買い求めは店頭のみ。
以前はテレビの取材もどんどんありましたが、手が回らなくなるため今は断っているとのこと。
ちなみに跡継ぎは取らないと言っていました。体力がある限りせんべいを焼き続けるそうですが、これからも健康に気を付けて永く続いていってほしいと願います。
わざわざ県外からも来られるお客さんも多い、はやし製菓本舗の「浪花ことばせんべい」。ぜひ大阪へ来られた際は立ち寄ってみてほしいです。